2024年01月

新春のお慶びを申し上げます。

「未来を予想する最良の方法」  リンカーン

年頭にあたり未来社会を予想すると、考えうる選択肢はいくつかある。

政治には、変革の時代を克服し、次に歩むべき道を選ぶ役割が委ねられている。

判断の尺度である民意とは何か。県議会議員に選任されて以来、自ら問い続けてい

る。

明治維新の後、福澤諭吉先生は民会の設置を主唱された。地方議会の嚆矢である。

先生自身も第一回の東京府会議員に選出され、多くの支持により副議長に就任し

た。

帝国議会よりも地方議会の開設を先行し政策を実践すべきと、板垣退助にも協力を

仰いだ。

人民に権力を与えるのは、「小児の手に利刀を渡すようなものだが、今は目をつぶ

って慣れるのを待つほかない。」と説かれ、民意を活かした地方自治に期待され

た。

リンカーンが演説した「人民の人民による人民のための政治」と同義であろう。

爾来百五十年、先の大戦に敗れて旧体制が瓦解し、新憲法は地方自治制度を定めた

が、県は国の下請けになり、国は民意の刃を突き付けられて右往左往している。

今年から一万円札の肖像が、渋沢栄一になる。福澤先生は富の象徴として日本経済

を彩りつつ、独立自尊の自治の到来を待ち詫びたが、未成熟のまま時が過ぎた。

形骸化した地方議会の力を復活し、郷土の豊かな未来を創造しなければならない。

未来を予想する最良の方法は、それを創造することではないか。

年頭謹白

本年の皆様のご健勝とご多幸を心から祈念いたします。

令和六年元旦