「希望と安心」をお届けします。
永年の信頼にお応えし、明日への希望が持てる、安心できる社会を実現します。
地域の課題解決に、力の限り取り組んで参ります。
皆様のご要望やご希望が県政に反映されるよう、このサイトがお役に立てれば幸いです。
ご支援とご協力を心からお願い申し上げます。
「まさしく見えて かなう初夢」
今も昔も年の瀬になると一年を振り返り、溜まった塵や垢を払い清める。
新春の訪れを願って床に就き、目覚めれば初夢と同じ朝の情景が広がる。
世を憂い出家した西行が漂泊の中で詠んだ初春は、無欲で穏やかである。
災難が続く年であればなおさら、来る年に幸あれと祈るほかはない。
国家や地域でも、危急存亡の事態には人知を超えた能力が発揮される。
濱口梧陵は、稲わらに火を放って避難誘導し、安政大津波から人命を救った。
私財を投じて大堤防を築き、後に和歌山県の初代県議会議長を務めた。
風も穏やかな良港こそ津波に用心せよという教訓は、今も南海に遺る。
ここ広島も明治政府が良港を築き、原爆という未曽有の破壊をこうむったが、
人々が新しい世を夢見て努力し、目覚ましい復興を成し遂げた。
世界中で続く天変地異と環境の激変に直面し、人類は夢を失いかけている。
今年は関東大震災から百年の節目にあたり、緊褌一番のときである。
ポストコロナの課題は山積し、もはや座視するしかないとの諦めも漂う。
沈みかけた筏に身を任せず、陸地を目指して棹差したいと願うばかりである。
年暮れぬ 春来べしとは思い寝に まさしく見えて かなう初夢 西行
年頭謹白
本年の皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念いたします。
令和五年元旦

2023年1月1日
市民意識が地域の未来を開く
民主主義が苦戦を強いられている。コロナ対策を果敢に実行する中国は、
権威主義のリーダーシップの強さと欧米型民主主義の脆弱さを浮き彫りにした。
英国の研究機関は、167の国と地域のうち、民主主義は74、非民主主義は93だと
分類している。
私たちの信ずる民主主義は、世界の大勢を占めてはいないのだ。
プーチンのウクライナ侵攻も、平和と民主主義に対する専制政治の挑戦に見える。
民主主義で連帯する国々は防戦に必死だ。
一方のロシアの人民は、領土を拡張し国益を保持するために、
したたかで強靭な政治の力を信じて支持するのである。
日本人は長い平和を謳歌し、台湾海峡の緊張もミサイルの飛来も対岸の火事にしか
見えていない。
危急存亡の事態に備える意識が、極めて希薄な国民性なのである。
危機感の欠如は地方においても同様である。
広島県は転出者が転入者を7000人も上回る転出超過一位の県となった。
若者をつなぎとめる魅力に乏しいのだ。
広島のかつてのリーダー達は、被爆からの復興を成し遂げ、都市圏を拡大する
様々な政策を実行した。
それが後世に大きな恵みをもたらしたのである。
第二次世界大戦による危機を乗り切ったイギリスのウインストンチャーチルは、
「偉大さの代償は責任である。」という言葉を残している。
リーダーと仰がれるからには、市民の幸福と地域活力を維持し、
平時にこそ危急存亡の事態に備える使命がある。
何事も為さねば徒に時が過ぎる。このまま為政者の無責任を看過すれば、
中国地方の雄県としての存在感も風前のともし火である。
民主主義の危うさが地方自治にまで及ばぬよう、
偉大なリーダーを選ぶことのできる高い市民意識が求められている。
我々一人ひとりの行動が地域の豊かな未来を開くのである。
令和四年 盛夏

2022年6月23日
「年の若水くむ今朝は」樋口一葉
新年の朝一番、恵方にある井戸水や湧水を汲んで雑煮を祝いお茶をたてる。
四季の移ろいや花鳥風月は、日本人の心の豊かさと優美な感性を育んだ。
長いコロナの巣ごもりは、様々な事柄を考えさせた。
先人の大いなる努力が強靭な国土をつくり、国際社会での自立と秩持を醸成した。
同時に長い平和と安定は、無気力と事なかれ主義を肥大させた。
いま世界は、歴史、民族、宗教など全てを呑込む大変革の潮流に曝されている。
これに伍して国家を存立させるには、日本の精神文化を総動員せねばならない。
節制と鍛錬によって培われた日本人の品格と胆力は健在なりと信じたい。
高い志を次の世代に受け継ぎ、躊躇なく前進に導くことが将来への投資となる。
人類の危機を予言するフランスの経済学者ジャック・アタリは、日本に対して、
「未来を恐れるな、未来を恐れなければ必ず成功する」とエールを送る。
パンデミック後の新たな秩序を模索する中、若水のように若者の志を汲み取り、
未来の創造につなげる希望と使命を実感している。
そう思うと、今年の若水はいつになく清々しく感じる一掬いである。
あらたまの 年の若水くむ今朝は そぞろにものの 嬉しかりけり
年頭謹白
本年の皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念いたします。
令和四年元旦

2022年1月1日
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