「希望と安心」をお届けします。
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コロナ後を生きるために
世界を席巻したコロナのパンデミックから、民族性の違いが見えてくる。
桁外れの犠牲者が出た欧米では、次々にロックダウンが強行され、自由を最大の
権利とする国民が、移動の制限を易々と受け入れた。
ペストやスペイン風邪のときでさえ、そこまで極端ではなかったという。
ドイツのメルケル首相は、人間の最も重要な権利である移動の自由を
軽々しく制限してはならないとした上で制限を実行し、苦渋の決断だと嘆いた。
一方、混乱の割に死亡率が低い日本の特性について、様々な意見がある。
国民の衛生観念の高さ、世間の目を気にしてあらゆる場所でマスクを着用する
同調圧力の強さ、などが理由ではないかと分析されている
コロナが怖いという空気に侵され、今を生きる社会生活や人間関係を抑制すること
自体が感染症ではないかと、東大准教授の国分功一郎が論考している
世界保健機構は、大量の情報が氾濫し、感染症の流行のように現実社会に影響を
及ぼす状態を「インフォデミック」と呼んでいる。
誤った情報が心に感染するインフォデミックは、経済社会を毀損する
オリンピック開催を過度に心配するのも、一種のインフォデミックである。
政府までが世論や国内空気に委縮し、優柔不断になってはならない。
万全の予防措置を講じて世界に約束を果たすと、毅然として筋を通せばよい。
いまや人類は、コロナ感染防止という共通課題に立ち向かっている。
世界が連帯する歴史上初めての機会を、温暖化対策などの
地球規模の取り組みに転ずるべきであろう。
各位のご不自由とご心労はいかばかりかと心配しつつ、コロナ後を見据えて、
健やかに自由に生きる準備をしておきたいと思う。
令和三年 盛夏

2021年7月8日
新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の営みを一変させた。
世情は混沌とし、この先どうなるのですかと尋ねられる。
経済は回復するのか。生活は維持できるのか。不安は募るばかりである。
中国の奥地に棲息するコウモリがウイルスを運び、東京オリンピックの延期を
もたらすとは、誰にも予想できなかった現象である。
気象学者ローレンツは、一九七二年に「バタフライ効果」の概念を提唱した。
『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こす』
一片の情報が瞬時に万里を駆け巡り、遠く離れた国に地殻変動を起こす。
温暖化、食糧不足、富の偏在などの課題が世界地図を塗替えようとしている。
これまでの秩序が揺れ動く中で、私たちは何を拠り所に未来へ向かうのか。
太古から人と人が力を合わせ、各々の歴史が築かれてきた。
携帯電話もAIも所詮は道具である。人と人との絆に代れるものではない。
今年は、廃藩置県により広島県が成立して百五十年目である。
この間、史上最大の破壊と復興を経て、奇跡の発展が成し遂げられた。
先人の汗と世界中からの救いの手が築いた、やすらぎと平和の地である。
数々の難局を克服した広島には、人々の痛みに共感できる心がある。
世界の人々から拠り所にされる、暖かい地域社会の再構築に期待したい。
年頭謹白
本年の皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念いたします。
令和三年元旦

2021年1月4日
新しい世界へ
コロナウイルスの感染拡大、パンデミックの終わりが見えない。
地球規模での人や物の移動を背景に、感染は瞬時に拡がり、
対応に浮足立つ国と堅実に行動して成果をあげる国との違いが顕著に表れている。
ロックダウンを行ったイタリアや英国では、国民にステイホームを強制して、
あたかも警察国家の様相を呈した。ウイルスは民主主義をも冒しつつある。
安倍首相は国民の意識に期待し、自粛を基本とした対策に終始している。
朝令暮改との批判の中、精一杯の努力で難局に臨む姿勢は総じて評価できよう。
一方、いずれの国でも、コロナ革命とも言うべき状況が起きている。
あらゆる分野で問題が噴出し、医療の態勢はもとより、企業、学校、店舗、家庭、
そして人との接し方においても、これまでの常識が通じなくなった。
パンデミックが終息した後、世界はどう変わっていくのだろうか。
今年の国連報告書では、パンデミックは、子どもや高齢者、障害者、移民、
難民などの貧しい人々や脆弱な立場の人々への打撃が大きいとし、
医療や教育に関する数十年の進歩を後戻りさせていると指摘している。
「教育は世界を変える最強の武器だ。」
アパルトヘイト、人種隔離政策の撤廃に尽力した南アフリカのマンデラ大統領の
言葉である。
国連のグテーレス事務総長は、この精神に則り、各国に教育への投資を増やすよう
呼びかけた。
新しい世界を切り開く人材の育成は喫緊の課題である。
貧富の格差や人種差別をなくし、感染症などの疾病を克服して世界平和に
貢献するためには、強靭な心身と利他の精神を有する人材が必要となる。
国家においても同様である。コロナ対策で、日本は国際的に評価を得た。
もはや経済大国とは言いがたい我が国は、様々な課題処理に汗をかき
模範になることで、国際社会からの信頼を勝ち取るしか生きる道はないのである。
令和二年 初秋

2020年8月28日
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