「希望と安心」をお届けします。
永年の信頼にお応えし、明日への希望が持てる、安心できる社会を実現します。
地域の課題解決に、力の限り取り組んで参ります。
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「年の若水くむ今朝は」樋口一葉
新年の朝一番、恵方にある井戸水や湧水を汲んで雑煮を祝いお茶をたてる。
四季の移ろいや花鳥風月は、日本人の心の豊かさと優美な感性を育んだ。
長いコロナの巣ごもりは、様々な事柄を考えさせた。
先人の大いなる努力が強靭な国土をつくり、国際社会での自立と秩持を醸成した。
同時に長い平和と安定は、無気力と事なかれ主義を肥大させた。
いま世界は、歴史、民族、宗教など全てを呑込む大変革の潮流に曝されている。
これに伍して国家を存立させるには、日本の精神文化を総動員せねばならない。
節制と鍛錬によって培われた日本人の品格と胆力は健在なりと信じたい。
高い志を次の世代に受け継ぎ、躊躇なく前進に導くことが将来への投資となる。
人類の危機を予言するフランスの経済学者ジャック・アタリは、日本に対して、
「未来を恐れるな、未来を恐れなければ必ず成功する」とエールを送る。
パンデミック後の新たな秩序を模索する中、若水のように若者の志を汲み取り、
未来の創造につなげる希望と使命を実感している。
そう思うと、今年の若水はいつになく清々しく感じる一掬いである。
あらたまの 年の若水くむ今朝は そぞろにものの 嬉しかりけり
年頭謹白
本年の皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念いたします。
令和四年元旦
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2022年1月1日
コロナ後を生きるために
世界を席巻したコロナのパンデミックから、民族性の違いが見えてくる。
桁外れの犠牲者が出た欧米では、次々にロックダウンが強行され、自由を最大の
権利とする国民が、移動の制限を易々と受け入れた。
ペストやスペイン風邪のときでさえ、そこまで極端ではなかったという。
ドイツのメルケル首相は、人間の最も重要な権利である移動の自由を
軽々しく制限してはならないとした上で制限を実行し、苦渋の決断だと嘆いた。
一方、混乱の割に死亡率が低い日本の特性について、様々な意見がある。
国民の衛生観念の高さ、世間の目を気にしてあらゆる場所でマスクを着用する
同調圧力の強さ、などが理由ではないかと分析されている
コロナが怖いという空気に侵され、今を生きる社会生活や人間関係を抑制すること
自体が感染症ではないかと、東大准教授の国分功一郎が論考している
世界保健機構は、大量の情報が氾濫し、感染症の流行のように現実社会に影響を
及ぼす状態を「インフォデミック」と呼んでいる。
誤った情報が心に感染するインフォデミックは、経済社会を毀損する
オリンピック開催を過度に心配するのも、一種のインフォデミックである。
政府までが世論や国内空気に委縮し、優柔不断になってはならない。
万全の予防措置を講じて世界に約束を果たすと、毅然として筋を通せばよい。
いまや人類は、コロナ感染防止という共通課題に立ち向かっている。
世界が連帯する歴史上初めての機会を、温暖化対策などの
地球規模の取り組みに転ずるべきであろう。
各位のご不自由とご心労はいかばかりかと心配しつつ、コロナ後を見据えて、
健やかに自由に生きる準備をしておきたいと思う。
令和三年 盛夏
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2021年7月8日
新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の営みを一変させた。
世情は混沌とし、この先どうなるのですかと尋ねられる。
経済は回復するのか。生活は維持できるのか。不安は募るばかりである。
中国の奥地に棲息するコウモリがウイルスを運び、東京オリンピックの延期を
もたらすとは、誰にも予想できなかった現象である。
気象学者ローレンツは、一九七二年に「バタフライ効果」の概念を提唱した。
『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こす』
一片の情報が瞬時に万里を駆け巡り、遠く離れた国に地殻変動を起こす。
温暖化、食糧不足、富の偏在などの課題が世界地図を塗替えようとしている。
これまでの秩序が揺れ動く中で、私たちは何を拠り所に未来へ向かうのか。
太古から人と人が力を合わせ、各々の歴史が築かれてきた。
携帯電話もAIも所詮は道具である。人と人との絆に代れるものではない。
今年は、廃藩置県により広島県が成立して百五十年目である。
この間、史上最大の破壊と復興を経て、奇跡の発展が成し遂げられた。
先人の汗と世界中からの救いの手が築いた、やすらぎと平和の地である。
数々の難局を克服した広島には、人々の痛みに共感できる心がある。
世界の人々から拠り所にされる、暖かい地域社会の再構築に期待したい。
年頭謹白
本年の皆さまのご健勝とご多幸を心より祈念いたします。
令和三年元旦
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2021年1月4日
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