謹んで新春のお慶びを申し上げます。

和光同塵『わこうどうじん』(老子)

今年は明治維新百五十年を迎える。

近代化の幕が開いて一世紀半を経た今、日本の未来はどうなるのか。

この間に、大正、昭和、平成と世は移り、来年は譲位による改元が行われる。

明治生まれの人が県内に数百名も健在であり、維新もそれほど遠い過去ではない。

二百年に及ぶ太平の夢を破って大政奉還は実現された。

独りでは無力だが、多くの人々の想いが結集すれば歴史は動く。

支持を得ることは政治の基本だが、大衆を扇動し、或は利用しながら

権力を掌握する者もいる。その態様は様々である。

日本に目を移すと世論の味方に勢いを得た新たな政党が、代表の一言で失速。

政治が力を過信した結果、人心は離れた。ならば何もしないのが無難なのか。

「事なかれ主義は官僚の出世の極意だが、政治家にそれをやられたら

国民はたまらん。」

と嘆いたのは、あの白洲次郎である。また昨今、朝鮮半島をめぐるアジアの情勢が怪しい。

維新にも匹敵する国難が迫る現在、地方自治にも、世界を見据えた

「自治のかたち」の再設計が求められ、政治の真の力量と品格が問われている。

すなわち、誇り高くたくましい日本を次の世代に手渡す使命が託されているのだ。

年頭にあたり、近代の幕を開けた明治維新を振り返って、

今こそ、背筋の通った新時代の政治の役割を改めて想う。

年頭謹白

本年の皆様のご健勝とご多幸を心から祈念いたします。

平成三十年元旦